先日、父の病室のテレビで元寺尾関のお兄さん、元関脇の逆鉾が亡くなったというニュースを見ました。
逆鉾って全然知らなかったのだけど、なぜか目を離せませんでした。
今日、その逆鉾がすい臓癌であったことを知り、目が離せなかったのは父と同じ病気だったからかな…なんて妙な納得をしたりしました。
すい臓癌って、スティーブジョブズや星野監督、元横綱の千代の富士、坂東三津五郎などなどそうそうたる著名人の命を奪った恐ろしい癌。なんというメンバーとなんという共通点。以前の父だったら「サイン書こうか」なーんて冗談の一つくらい言ってそうだな。。笑
さて、今日は二回目の帰宅の日。
どれだけ待ちわびているだろうと思いながら病室を訪れると、目を閉じてじっと動かない父の姿が。
瞬間で感じました。帰宅させない方がいい。
「きつい?」
の問いかけに、小さく頷く父。あああ。
昨日までの私はどっかに飛んで行って、ずしーーーーんと重く悲しい感情に押しつぶされそうになりました。
昨日まではゴキゲンで「明日は家に帰る♪」と話していたそうですが、今朝から血液中の酸素濃度が低く、指先が冷たくなって、鼻からの酸素の量を増やしたそうです。痛みなどは全くないものの、倦怠感が酷いようで、もう意識は別のところをさまよっているのが分かります。
今日は声も出ず、蚊の鳴くような声でしか問いかけにこたえることができません。
これは、片道一時間かけて帰宅させることで、かえって寿命を縮めてしまうのではないか…そう判断し、きっぱり諦めました。
その代わり移動用のベッドを押して、病棟の外までおでかけ。
父が外に出るのは、この病院に転院した三週間前以来。お散歩なんて自宅で過ごしていた一か月半ぶりなんじゃないかな。
抜けるような青空。台風が近づいているせいか、流れる風は早く清々しい。コスモスが揺れて虫の声が聞こえます。
こんなに爽やかな日があろうか。最高の散歩日和!
こんなに風が気持ちいいというのに、どうして
どうして表情一つ変えずに目を閉じているんだろう。そうか、最高の昼寝日和でもあるね。そうだね。
こんな時不意に襲ってくるのは、懐かしい光景。
幼い息子と庭でサッカーボールを蹴っているあの姿。大笑いしながらボールを追いかける父の姿です。
涙をこらえて病室に連れ帰り、しばらく父の傍から離れられませんでした。
このまま衰弱していくばかりなのかな…。一昨日見せてくれたあの笑顔に会いたくて、ただひたすら父の寝顔を見つめていました。
ん?
この前来た時にはなかった写真が壁に貼ってあることに気が付きました。
なーんーだーこーれーーーーーーーーーーー笑
若い可愛い看護師さんと仲良くツーショット♡
なんかもう、嬉しいやら可笑しいやら微笑ましいやらで、母と大笑いしてしまいました。
思わぬところでいい笑顔に会えた!メンクイじいちゃん。この調子ならきっとまだ大丈夫!